ANAホールディングス(HD)は29日、定時株主総会を開催した。新型コロナウイルス禍に伴う旅客需要低迷が長引く中、今後の資金調達能力を強化するため、発行可能株式総数を現行の倍となる10億2000万株に増やすよう定款を変更する議案が可決された。片野坂真哉社長は「今回の危機を必ず乗り越え、パンデミック(世界的大流行)の再来にも耐えうる強靱(きょうじん)な企業グループに生まれ変わる」と訴えた。
ANAHDはコロナ禍の影響を受け、昨年度に計約1兆2000億円の資金を調達。うち約3000億円を公募増資とした結果、従来の発行可能株式総数の上限となる5億1000万株に近づいていた。片野坂氏は今回の定款変更について「資金調達手段の選択肢を広げ、かつ機動的な資本政策を行うため」と改めて説明した。
一方、今後の見通しについては、ワクチン接種の進展により、旅客需要が今年度末に国内線はコロナ前の水準に、国際線は5割程度にまで回復すると予測。感染の再拡大に備え、「二の矢、三の矢の収支改善策を備える」とも述べた。
質疑応答では、無配を不満に思った株主から余剰金を原資とする配当を求める声のほか、投資を抑えて外部への出向を余儀なくされている社員を支援することや、役員報酬の100%カットを求める声なども上がった。
同社は傘下の全日本空輸をはじめ、厳しい経営状況が続いており、2021年3月期連結決算の最終損益は過去最悪の4046億円の赤字だった。
ANA株主総会、発行可能株式倍増案を可決 「危機乗り越え強靱に」 - SankeiBiz
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