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Sunday, June 27, 2021

宇都宮商野球部の「百年史」発行 OB会が編集 - 朝日新聞デジタル

平賀拓史

 【栃木】高校野球の強豪校で、夏1回と春3回の全国大会出場を誇る県立宇都宮商(宇都宮市)硬式野球部が昨年、創部100周年を迎えた。これを記念して同部OB会は今春、「宇商硬式野球部百年史」を発行した。

 宇都宮商は、県立商業学校(県商)と宇都宮市立商業学校(市商)が1949年に統合されて誕生した。県商野球部は1920年、市商野球部は33年に創設されていて、最も古い県商野球部創設からは昨年で100年となった。

 「百年史」は2018年にOB会が発案。1950~2020年卒までの学年幹事1人ずつに当時の出来事などを執筆してもらい、11人の編集委員が編集・校正を手がけた。戦前・戦中のことは、学校や県高校野球連盟の資料、当時の新聞などを参照して委員が執筆したという。A4判、約450ページで、今年3月に200部を発行。学校や図書館に寄贈するほか、OBらに販売するという。

 臨場感あふれる記述もある。第51回選抜大会(1979年)での久留米商(福岡)戦については、「場内アナウンスの時には『ウワァー!』『ウォー!』というような大声援が響いた」。この試合は、宇都宮商にとって甲子園での初の勝利となった。当時の主将は、「ただならぬ歴史的な場面に立ち会っているという気持ちの高ぶりを感じた」と振り返っている。

 1923年、県商が県勢として初めて全国大会に出た時には、不足していた遠征資金を賄うため、卒業生らが「活動写真会」を催したとのエピソードもある。

 100年近く前の大会時のチーム写真や、約60年前の応援風景など、貴重な写真も多く収録した。歴代マネジャーを振り返り、紹介するページもある。

 編集委員長を務めた宇都宮市の会社役員平本光彦さん(63)によると、百年史の作成をOB会員に周知すると、「当時の写真を持っている」といった声が多く寄せられたという。「今を逃すと集まらないだろう資料や写真、証言をたくさんいただいた。完成した本の厚みを見ると、100年の重みを感じます」

 百年史は残部があれば一般の人にも販売する。問い合わせはOB会(028・657・7155、大矢商事内)へ。(平賀拓史)

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