テーパリング(段階的縮小)を3日に発表するのは米金融当局だけではなさそうだ。その日には米財務省も、約5年ぶりに四半期の中長期債発行縮小を公表する可能性が高い。
同省による利付き債の発行額減少はいずれ、量的緩和からの脱却に向けた金融当局の資産購入縮小を上回る影響をもたらす見通しだ。これは投資家から十分に注目されていないダイナミクスだと、ウェルズ・ファーゴは指摘するが、金融当局の刺激策縮小・解消の過程で金利上昇の抑制に寄与する可能性がある。
ウォール街の多くの銀行によると、通常の利付き債発行は2022年7-9月(第3四半期)ごろまでに約1兆ドル(約114兆円)減少する見通し。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は月800億ドルの米国債購入が22年半ばまでに完全に停止されると指摘している。
発行減少は来週予定される四半期定例入札が起点になる見通し。過去3回の入札はいずれも過去最大の1260億ドルだったが、今回はそれを下回ると見込まれる。
米財務省の具体的な借り入れニーズは議会が数週間以内の立法化を目指す2つの中長期の財政パッケージにも左右される。ただ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応で昨年実施された過去最大級の入札規模は不要になっている。
ゴールドマン・サックス・グループのチーフ金利ストラテジスト、プラビーン・コラパティ氏は「協議中の財政パッケージについて可能性が高そうな比較的幅広いシナリオに基づくと、現行の入札予定は財務省にとって著しく過剰な供給につながる見通しだ」とした上で、「こうした発行圧縮は資産購入のテーパリングで見込まれる金融当局からの需要減少をほぼ相殺するだろう」と指摘した。
同省の3日の発表は、米金融当局が政策決定を公表する数時間前に行われる見通し。発表は3、10、30年債発行が対象で、今後数カ月の発行変更に関する計画も含まれる。入札額についてプライマリーディーラーの予想の中心は総額約1190億-1200億ドル。
原題:
Treasury Set for Own Tapering With $1 Trillion in Debt Cuts Seen(抜粋)
米財務省もテーパリングか、発行額22年7-9月までに114兆円減も - ブルームバーグ
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