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Monday, October 4, 2021

中銀デジタル通貨発行の是非、FRBが近く検討に着手 - Wall Street Journal

パウエルFRB議長はデジタルドルの発行に慎重な見方を示した

Photo: pool/Reuters

 【ワシントン】米連邦準備制度理事会(FRB)は中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行に関する利点やリスクについて、早ければ今週から検討作業を開始する。

 この問題に対するFRB当局者の見解は分かれており、デジタルドルが早期に登場する可能性は低いとみられている。デジタルドルはビットコインなど民間の仮想通貨とは異なり、ドル紙幣やコインと同様にFRBが発行および保証することになる。

 デジタルドル発行を支持する人々は、金融システム内での資金移動がこれまでよりも迅速になり、コストも低下すると主張する。銀行口座を持たない人々も対象になるため、政府の金融支援も行き渡りやすくなるという。

 ラエル・ブレイナードFRB理事は9月27日、全米企業エコノミスト協会(NABE)での講演で、デジタル通貨導入を検討している他の主要国・地域に後れを取らないことも重要との認識を示した。「国際的な決済におけるドルの支配的な地位を踏まえると、米国がそうした状況下で席につかないことは想像しがたい」

 一方、ジェローム・パウエルFRB議長は慎重な姿勢を示す。9月22日の記者会見では、CBDCの発行を検討するのは「いかなるコストやリスクも上回る明確で具体的な利点」があるとFRB当局者が確信した場合に限られると述べた。

 パウエル氏は課題の1つとして、現金を好む米国も多いことを挙げた。CBDCが発行されれば、FRBは理論的にはあらゆるユーザーの通貨使用を把握できることになるため、プライバシー保護の問題にも対処する必要があると述べた。

 ランダル・クオールズFRB副議長(金融規制担当)はデジタルドルの必要性について、懐疑的な見方を示す。同氏は今夏、ドルはすでに「高度にデジタル化されている」と述べ、FRBのCBDCが銀行口座を持たない人々を金融システムに引き入れることに役立つという主張に疑問を呈した。

 クオールズ氏はユタ州の銀行協会が主催したイベントで「目新しさに夢中になる前に、CBDCへの期待を慎重かつ批判的な姿勢で分析する必要があるだろう」と述べた。

 FRBはCBDC発行について、問題を分析した論文を公表および意見を公募することで是非の検討を開始する。明確な政策提言が含まれることはないとみられる。

 その次の段階としては、ボストン地区連銀がマサチューセッツ工科大学の研究者と協力して、デジタルドルの機能に関する技術的側面を中心とした論文を発表する予定となっている。

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