“朝ドラ”こと連続テレビ小説「おかえりモネ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)、最終回となる第24週「あなたが思う未来へ」第120回が10月29日に放送された。同回では、主人公・モネこと永浦百音(清原果耶)が、これまでの様々な思いを乗り越え本当の意味で笑顔を取り戻した。そのとき、幼馴染たちから「おかえり、モネ」というドラマタイトルと重なる言葉もかけられ大団円に。約半年にわたり放送された「おかえりモネ」という作品と、清原果耶の魅力をフリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が解説する。(以下、一部ネタバレが含まれます)
中学時代と今の百音が全然違う
「もう何もできないなんて思わない」
東日本大震災で無力感を覚えた百音は、何か自身にできることがないかと模索し続け、地元・気仙沼の亀島から登米、東京……と心の旅をしてきたかのようだった。
長いこと抱えてきた無力感にけりをつけた百音。自然災害の前に人間は成す術もない。それでも決して打ちひしがれることなく、知恵と工夫で立ち向かっていく。
意思をもった百音の表情の向こうに、それまでの長い道のりが見えるようだった。暗くて長いトンネルの先に光が見えてくるような光景を、表情だけで感じさせる清原果耶の豊かな表現力に見入ってしまった。
最終週に出てきた回想場面――百音が中学生だった時と現在(ドラマ内では2022年の夏まで描かれた)の百音の顔はまったく違う。そこには前髪の差だけではない何かがある。
ドラマのクランクインは2020年の9月で、クランクアップまで1年の時間があったとはいえこの違いはなかなかすごい。
主演の清原果耶が19歳という、ちょうど少女から大人に変わっていく時期だったことも功を奏したように思うが、それにしてもずいぶん変化している。ベタな言い方をすれば蕾が花開いたようだった。
中学時代の百音は、未だ幼くて、テリトリーはほぼ家と学校のみで、未来に夢いっぱいでのびのび生活していた少女である。
それが震災を経験してふさぎこみ、故郷を出て登米、東京と移動しながら気象予報士として人の役に立ちながら大人になっていく。
人生について深く語り合ううちに菅波(坂口健太郎)と恋に発展し、24歳〜26歳ではずいぶんと自立した表情になる。震災以降は表情も声も淡かったが、じょじょに表情がくっきりしていく。とりわけ地元・亀島に戻って働きはじめてからの百音の瞳は強くなった。
「おかえりモネ」は“百音と清原果耶”の成長物語だった 最終回に向け“輝き”増した稀有な朝ドラ - WEBザテレビジョン
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