サムライ債の発行が過去最少だった2020年度から回復しつつある。海外の中央銀行が徐々にタカ派に傾く中、金融緩和が続く日本の円での債券発行が海外発行体にとって有利になっているためだ。
マレーシアの銀行大手マラヤン・バンキング(メイバンク)は27日の条件決定に向け、サムライ債の需要調査をしている。21年12月に ウルグアイが、今年1月には大韓航空がそれぞれサムライ債を発行した。ブルームバーグのデータによると、サムライ債の21年度の発行総額は25日時点で6327億円と、前年同期を47%上回る。
新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化に対処するため世界の中央銀行が前例のない規模の金融緩和を実施した結果、円以外の通貨での資金調達コストが下がり、海外発行体によるサムライ債の発行ニーズは一時縮小していた。
ただ、日本と海外で金融政策の方向性が乖離(かいり)してきたことで、海外発行体は円債市場に回帰しつつある。米連邦公開市場委員会(FOMC)が26日にも利上げ開始のシグナルを出すとの見方が強まる一方、日本銀行の黒田東彦総裁は今週、2%の物価安定目標にはかなりの距離があるとして、金融緩和を続けていく必要があるとの 発言を繰り返した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の前原光一デット・キャピタル・マーケット部長は「海外中銀の引き締め方向への転換が、海外発行体にとって円債市場での資金調達が魅力的になってきた主因だ」と話す。「日本での事業で円が必要だったり、調達源の多様化を目指したりする発行体が円債市場に戻ってきている」と述べた。
原題:
Samurai Bond Sales Rise from Record Low as BOJ Holds Down Yields(抜粋)
サムライ債の発行が回復基調、日銀の金融緩和継続で円債に再び注目 - ブルームバーグ
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