仙台市は新年度、地球温暖化対策など環境政策に使途を限定した市債「グリーンボンド(環境債)」を東北の自治体で初めて発行する。市場公募債の一種で、関心が高まるESG(環境・社会・企業統治)投資を呼び込み、財源確保に生かす。発行額は50億円程度を予定し、新たな市役所本庁舎の環境性能向上などに活用する。
グリーンボンドは5年債。発行価額や発行日、金利などは新年度に検討する。使途や事業効果を明記した計画書を作成し、外部機関の評価を得て発行する。評価委託費として、一般会計当初予算案に120万円を計上した。決算後はグリーンボンドの活用結果に関するリポートを作成する。
50億円の使途は、新年度に実施設計が始まる新本庁舎にエネルギー効率の高い設備を導入する費用、エネルギー消費を実質ゼロにする建物「ZEB(ゼブ)」(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の認証を取得する費用などを想定する。
指定避難所への太陽光発電設備の設置、大規模改修する公共施設の照明設備LED(発光ダイオード)化にも使うほか、気候変動に伴う防災事業も対象になり、河川改修や道路ののり面工事の財源にも充てる。
グリーンボンドは社会貢献に充てる「ソーシャルボンド」、国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成の資金を調達する「サステナビリティボンド」と合わせ、ESG債と呼ばれる。
近年、脱炭素化や気候変動対策を後押しする取り組みとして、欧州を中心に発行が急増。国内でも取り入れる企業が増えつつあり、自治体では東京都や長野県、神奈川県、川崎市、北九州市などが発行している。
仙台市財政課の伊藤秀晴課長は「環境債の発行は仙台が『防災環境都市』を掲げ、持続可能で魅力的なまちづくりを進めていることをPRできる」と狙いを説明。「脱炭素社会への意識が高い市民、企業に資金面で市の施策に参画してもらいたい」と呼び掛ける。
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仙台市が環境債発行へ 東北の自治体初、50億円程度を予定 - 河北新報オンライン
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