バークレイズが人気の高い上場投資証券(ETN)2本について、今月突然に販売と発行を停止した理由が明らかになりつつある。
同行は28日、登録額を152億ドル(約1兆8700億円)上回る仕組み債およびETNを誤って発行したと発表。この対応で4億5000万ポンド(約730億円)の費用を計上し自社株買いを先送りすると明らかにした。
特定のETNには言及しなかったものの、株式ボラティリティーに関連するiパス・シリーズB・S&P500種VIX短期先物ETN( VXX)と原油関連のiパス・ピュア・ベータ原油ETN( OIL)とみられる。
バークレイズは14日、この2つのETNへの新規資金受け入れ停止に動いたことから、価格が大きく変動し市場評価額が裏付け資産の価値から大きく乖離(かいり)する事態となった。
特にVXXが市場に与えるインパクトは大きく、ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストなどがその規模と空売り筋およびオプショントレーダーへの影響を指摘した。
バークレイズは可能な限り早く米証券取引委員会(SEC)に新たな登録申請を提出するとしているが、いつ発行が再開されるかは不明だ。バークレイズの広報担当者は発表以上のコメントを控えた。
ETNは上場投資信託(ETF)と同様に取引されるが、実際は銀行が保証する債務担保証券だ。従って、投資家は発行体のデフォルト(債務不履行)リスクという意味でのカウンターパーティーリスクにさらされる。バークレイズの信用力に問題はないが、価格と流動性への影響は生じる。
トライベッカ・トレード・グループのクリスチャン・フロムハーツ最高経営責任者(CEO)は、ETNへの投資回避を長年勧めてきたとして「カウンターパーティーリスクがある」と指摘した。
ETFトレンズの調査責任者、トッド・ローゼンブルース氏は「再び起きる事態はなさそうだが、ETFではなく、ETNを取引する際の注意を再び喚起するものだ」と述べた。
原題:
Barclays VIX ETN Turmoil Looks Linked to $591 Million Note Error(抜粋)
バークレイズETN販売停止の謎解明か、登録額上回る発行ミス発表で - ブルームバーグ
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