ESGの取り組みをアピールするためにESG債を発行する企業は6割超に上る。日経ESG本誌アンケートから、上場企業423社によるESG債の発行動向が明らかになった。
グリーンボンド(資金使途を環境課題の解決に限定した債券)やソーシャルボンド(資金使途を社会課題の解決に限定した債券)といったESG債の市場が拡大を続けている。足元では、ウクライナ情勢による市場の変動や世界的なインフレへの懸念などから減額や延期をした企業もあるが、ESG債の発行は増加傾向にある(関連記事)。
再生可能エネルギーの導入(左)や、輸送時の温室効果ガス排出削減(上)に調達資金を充てるESG債の発行が目立つ
※写真は本調査と直接関係はない
(写真:東急不動産ホールディングス(左)、日本航空(上))
日経ESGは日経リサーチの協力を得て、国内の上場企業3918社にアンケートを送付し、ESG債の発行状況について聞き、423社から回答を得た(調査概要は下記)。
調査の結果、ESG債の発行に意欲的な企業とそうでない企業とに二極化している実態が浮き彫りになった。発行する理由や資金使途、得られたメリット、発行時の課題など、以下、詳細を紹介する。
3割が発行に前向き
まず、ESG債の発行の有無を聞いたところ、「発行したことがある」企業が16.3%、「発行したことがないが、現在、検討している」企業が17.3%で、合わせて約3割が発行に前向きなことが分かった。ほとんどが「プライム市場」の所属企業である。今後、ESG債を発行するかどうかについても、「積極的に発行していく予定である」(32.4%)、「現在、検討中である」(43.0%)と意欲的で、「積極的に発行していく予定はない」企業はゼロだった。
■ ESG債の発行状況
既に発行している企業は16.3%ある。検討中の企業を合わせると3割を超え、今後、さらに発行が増えるとみられる
ESG債、6割超がアピールに - Nikkei Business Publications
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