群馬県は、県内各地にある寺院と神社の建築や文化財についてまとめた「群馬県近世寺社総合調査報告書−歴史的建造物を中心に−」を発行した。江戸時代を中心とした寺社建築の特徴や現状などを詳細に調査し、論考した。県内各地の図書館や市町村教育委員会などで閲覧できる。
構成は「本編」「寺院編」「神社編」の全三分冊で計約千二百五十ページ。国や地方の文化財指定の有無にかかわらず、歴史的価値の高い寺社を調査した。寺院編は百八十一件、神社編は百九十件を取り上げ、由来と沿革、建造物の特徴や構造、写真などを掲載。寺社に関する各種文化財も考察している。
一連の調査で、建築年代や施主などを記して建造物に打ち付けた棟札(むなふだ)により、大工や彫物師の活躍ぶりも判明。田沢(現桐生市黒保根町上田沢)や花輪(現みどり市東町花輪)など県東部に彫物師集団が師弟関係を組み、寺社建築に携わった実態も分かった。
建造物の装飾彫刻も、江戸前期には総じて軒下にあったが、時代が下るに伴って壁面にも広がり、より立体的で精巧にもなった点も判明した。
紙の冊子にした報告書は一般向けには販売しないが、県のホームページなどからアクセスすると、閲覧できる。(池田知之)
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