ポイントプログラムの雄である楽天ポイントの発行額が加速している。楽天グループは7月19日、楽天ポイントの累計発行ポイント数が3兆ポイントを超えたと発表した。
2兆ポイントを超えたのは2020年9月。当時は、年間発行ポイント数は3200億ポイントだった(記事参照)。そこから約2年で、発行ポイント数は3兆に。直近では、11カ月で5000億ポイントを発行するなど、発行ペースが加速している。
利用者側の視点で見ると、受け取るポイントも増加した。一人あたりの平均獲得ポイント数は、19年から21年の3年間で1.4倍に増加。通算で10万ポイント以上を獲得している会員数は750万を超えている。楽天の月間アクティブユーザー数は3600万であり、約20%は特にヘビーユーザーだといえる。
3兆ポイント突破の背景
3兆ポイント突破の背景として、楽天グループは「各キャンペーン施策の継続実施」を挙げた。グループ全体で、開催したポイントキャンペーンは年間1万回以上。さらに、旗艦ECサービスである楽天市場での「楽天スーパーセール」「お買い物マラソン」「兆ポイントバック祭」などの大型イベントは、年間20回以上開催しており、これは4年前の1.5倍に頻度が増加している。
またオフライン決済の増加も、発行数増加に影響している。2600万枚を発行している楽天カードは23年5月期第1四半期(5−7月)において、ショッピング取扱高が4.1兆円まで増加した。前年同期比で26.1%増加しており、年間取扱高は概算で16兆円超に達する。楽天カードは利用額の1%をポイント還元しており、それだけで年間1600億ポイントが発行されている計算だ。
楽天グループは、オフラインでの利用拡大に取り組んでおり、コード決済サービス「楽天ペイ」や「楽天ポイントカード」でも、「加盟店でのユーザー利用が著しく伸長」(楽天)したとしている。スーパーマーケットやドラッグストアなど、楽天ポイントが付与されるリアル店舗が6月時点で500万カ所を超えた。
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拡大するポイント市場
楽天ポイントを筆頭に、ドコモのdポイント、KDDIが推すPontaポイント、そしてソフトバンクグループのPayPayポイント、独立系で歴史の長いTポイントなど、ポイントを使った経済圏でも顧客の奪い合いが激化してきている。
PayPayポイントは10月にグループ外の加盟店に開放することを計画しており、「23年には発行額1位のポイントを目指す」(PayPayの中山一郎社長)と強気だ。
ポイントは顧客囲い込みのツールであるとともに、独自通貨を持つ経済圏のようなものだ。例えば楽天ポイントでは発行されたポイントの90%以上が使用されており、楽天ポイント利用だけで年間5000億円規模の決済額に達している。
矢野経済研究所の調査によると、国内ポイントサービス市場規模は19年に2兆円を超えており、年5%前後で成長している。Suicaなど電子マネー全体の年間決済額は6兆円あまりで足踏みしており、ポイント決済の規模感が次第に近づいている。
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