政府は、脱炭素戦略で司令塔の役割を果たす「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」の初会合を、来週にも開催する方向で調整に入った。岸田文雄首相は、政府が戦略実行に使う資金をGX経済移行債の発行で賄う考えを表明しており、会議の発足により制度設計や償還財源の議論が本格化する。
複数の政府関係者が21日、明らかにした。世界的に温暖化対策を巡る議論が活発化する中、政府は2050年にカーボンニュートラルを達成する目標を掲げるとともに、脱炭素戦略を岸田政権の政策の中核に位置付けてきた。
GX実行会議は、グリーン社会の実現に向け、産業構造の転換を図る政策を具体化させるため、岸田首相が5月に立ち上げを表明。関係閣僚に対して議論の取りまとめを指示していた。関係者によると、会議には経済界の代表や学識経験者も出席するという。
会議を実質的に運営する経済産業省の担当者は、夏以降に会議を新設することは決定済みだが、その他に決まったことはないと回答した。
議論の中心になるとみられるのは、脱炭素に必要な投資資金の調達手段となるGX移行債だ。経産省の試算では、今後10年間で官民合わせて150兆円の投資が必要とされ、このうち政府はGX移行債により約20兆円を調達する。
主要7カ国(G7)では、日本と米国を除く5カ国がすでにグリーン国債を発行しており、日本の動向が注目されている。
GX移行債を発行するための制度設計と併せて、償還財源をどう確保するかも課題になる。山口壮環境相は15日の 記者会見で「20兆円の償還は炭素税だけでは無理だと思う」と述べており、GX実行会議では多様な選択肢の検討も課題となる。
GX債発行へ議論本格化、脱炭素の司令塔が来週にも初会合-関係者 - ブルームバーグ
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