日本銀行が18日の会合でイールドカーブコントロール(YCC)政策に再び変更を加えるとの臆測が、日本の信用市場に影響を及ぼし、借り入れコストは上昇、円建て起債の中止が相次いでいる。
円建て社債の発行は今月、前年同月に比べ約70%減の3650億円となる見込み。ブルームバーグがまとめたデータによれば、この発行額は2006年以来の低水準となる。三井住友信託銀行は18日に予定していた年限10年の起債を 見送ることを決めた。
円建て社債のスプレッドは今月、一時20年7月来の大きさとなった。日銀は昨年12月に10年物国債利回り許容変動幅を拡大し市場を驚かせ、一段の政策変更の臆測を引き起こした。
ブルームバーグの調査に答えたエコノミストのほぼ全員が17、18両日の日銀会合で 政策変更はないと予想しているが、日銀が国債利回りを許容変動幅の上限以下に抑えるのに苦戦している中で一部投資家は日銀の行動を警戒する。
日銀が行動に出るとすれば10年物国債利回りの許容変動幅を再び拡大するのが最もありそうな措置だが、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアナリストは市場が最終的なYCC放棄の可能性も織り込みつつあると指摘した。
10年物国債の利回りは16日に3営業日連続で日銀が上限とする0.5%を超えた。
昨年12月の日銀の政策修正はブルームバーグ調査に答えたエコノミスト47人の 誰も予想していなかったもので、ボラティリティーを急上昇させた。
マニュライフ・インベストメント・マネジメントの押田俊輔クレジット調査部長は、10年物国債利回りが「どこで落ち着くか定まらないとやりづらい」と話した。
ただ、日本の発行体のほとんど全てが投資適格級であるため、デフォルト(債務不履行)リスクの指標はこれまでのところ日銀の動きの影響をあまり反映していない。マークイットiTraxx指数によれば日本の社債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドはここ数週間に、アジアの発行体と同様に縮小した。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、1月末までには日産自動車などが約850億円規模の起債を計画している。今月はこれまでに2800億円前後が発行された。合計の起債規模は昨年1月の1兆1800億円に比べ極めて少ない。
原題: Japan’s Credit Market Feels the Heat From BOJ Policy Shift (1)(抜粋)
日銀巡る臆測が社債市場に影響-円建て社債スプレッド拡大、発行細る - ブルームバーグ
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