カゴメは31日、個人投資家向けにデジタル特典付きの社債を発行すると 発表した。ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使って社債購入者の情報をデジタルに取得、自社商品を進呈するなど情報発信を強化して顧客との関係性を強める。
2月21日に発行する予定の社債は、年限が1年で発行額は10億円。カゴメが31日に関東財務局に提出した 訂正発行登録書によると、利率は年0.05-0.35%の範囲内で2月8日に決める予定だ。主幹事はみずほ証券、販売は楽天証券がそれぞれ担う。ブルームバーグのデータによれば、カゴメの社債発行は1996年以来で、個人向けは初めて。
特徴はブロックチェーン技術を使った「デジタル特典」だ。カゴメは今回、オンラインショップに登録した社債購入者に、同社の野菜ジュース「つぶより野菜」を15本進呈する。登録した購入者の情報は、みずほフィナンシャルグループのブロックチェーン技術によりカゴメが直接取得できる仕組みだ。
カゴメ経営企画室広報グループの堀江建一主任は、ブロックチェーン技術を活用することで社債購入者と直接的な接点を持ち、「情報発信を強化して関係性を深めたい」と話す。現在の 第3次中期経営計画では同社のファンを増やしてストック型コミュニケーションを強化する方針を掲げており、その一環として社債発行により株主と同様に「ファン貸主との関係性も強化したい」と述べた。
社債市場では、 丸井グループが2022年6月に発行プロセス自体を電子化するデジタル債を発行するなど、ブロックチェーン技術を用いる事例が徐々に増えている。みずほFGの広報担当者によると、今回のカゴメ債はみずほFGのブロックチェーン技術を実用する第1号案件でもある。
株主優待を社債でも、カゴメが初の個人向け発行へ-「ファン貸主」重視 - ブルームバーグ
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