経営危機に陥ったスイス金融大手「クレディ・スイス」の救済から10日。スイス政府が巨額の公的資金を投入し、同業のUBSに買収される形で危機を脱したように見えるが、金融市場の“激震”は止まらない。救済合併に当たり、クレディ・スイスが発行した「AT1債」約160億スイスフラン(約2.2兆円)分が「価値ゼロ」に。突然、紙くずとなったAT1市場に警戒が強まっているのだ。
AT1債は金融機関が発行する特殊な社債で、利回りが高い分、債権者保護は手薄い。金融機関が破綻した際の弁済順位は低く、公的支援が実施された場合、元本が減額される特約が付けられるケースもある。クレディ・スイスのAT1債はこれに該当したのだ。
「リーマン・ショックを受け、国際的な銀行の自己資本比率に関するバーゼル規制が強化されました。AT1債は自己資本にカウントされるため、自己資本を増強したい金融機関は発行を増やしてきました。他方、低金利が長期化する中、高い利回りを求めて投資家もAT1債を積極的に買い続けてきたのです。日本の地銀や投資家も手を出しており、損失を食らう恐れがあります」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)
クレディ・スイス発行2.2兆円が突然紙クズに…激震続く世界市場「危ない債券」35兆円の行方|日刊ゲンダイDIGITAL - 日刊ゲンダイDIGITAL
Read More
No comments:
Post a Comment