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Sunday, June 11, 2023

レゾナクHが社債300億円、発行上限の半分-大型起債続き需要一服感 - ブルームバーグ

レゾナック・ホールディングスが9日、3本立ての社債の発行条件を決めた。発行総額は300億円と上限とした600億円の半分にとどまり、大型起債が続いた後の投資家による銘柄選別色の強まりを示した。

  同社は今年1月に昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)が統合して 誕生。今回は新たな持ち株会社として初の起債だった。発行するのは5年債と7年債、10年債で、主幹事によると発行額はいずれも投資家の需要を全て取り込む形でそれぞれ90億円、86億円、124億円に決まった。

  社債市場では5月から6月初旬にかけて大型起債が増えた 結果、投資家の間では新発債への需要にやや一服感が出ている。レゾナクHは世界的な半導体需要の低迷を受け、2023年12月期は営業損益、最終損益ともに赤字になる 見通し。今回は10年債を中心に一定の投資妙味を指摘する声はあったものの、銘柄選別色を強める投資家からの需要は高まりきらなかった。

  複数の起債関係者によるとレゾナクHは当初1000億円超の起債を目指す考えを示していたという。その後、3本で計600億円を上限額として正式に需要調査に入った。5年債は国債上乗せ金利(スプレッド)を、7年債と10年債は発行利率を直接決める方法を採り、いずれの年限も需要調査レンジの上限で条件決定した。

【各年限の発行条件】

  スプレッド 発行利率 需要調査レンジ 発行額
5年 60bp 0.695% 53-60bp 90億円
7年 1.10% 1.00-1.10% 86億円
10年 1.50% 1.40-1.50% 124億円

注)bpはベーシスポイントで1bp=0.01%

  レゾナクHの広報担当者はブルームバーグの取材に、最大600億円と公表した上で投資家の需要を確認した結果、300億円の発行となったと説明。起債の 目的は資金の借り換えでありすぐに追加の対応が必要なわけではないとし、今後も時期を見て銀行からの借り入れや社債発行を含めさまざまな調達手段を検討すると話した。

【購入投資家層】

  中央投資家 地方投資家
5年 生保、信託、投信投資顧問(60%) 系統下部、その他諸法人(40%)
7年 生保(30%) 系統下部(70%)
10年 生保、信託、投信投資顧問(40%) 地銀、系統下部、地方公的、その他諸法人(60%)

注)10年債にはリパッケージローン用に証券会社の自己ブックがあった

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