顧客がより高い利回りの金融商品を志向し預金引き留めに苦慮している米銀にとって、米連邦債務上限の適用停止は新たな試練だ。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の米金利戦略責任者マーク・カバナ氏によると、今回の措置で米財務省は財務省短期証券(Tビル)の大量発行を通じた資金補充が可能になり、預金に代わる金融商品の金利をさらに押し上げる可能性が高い。
マネー・マーケット・ファンド(MMF)の運用資産は過去最高水準に膨らんでいる。過去1年間の米金融政策措置に伴う金利上昇を、MMFが銀行よりも迅速に顧客に還元しているためだ。3月に地銀破綻が相次いだことも、銀行から投資ファンドへの資金移行を加速させた。
カバナ氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「銀行業界にとって新たな逆風だ」とし、「銀行システムが困難な状況に追い込まれていることは承知しており、一部の銀行で米当局の緊急融資が徐々に増えていることも知っている。これは金利上昇の中で預金を維持する新たな試練になる」と語った。
今週のTB入札で発行残高は約900億ドル(約12兆5600億円) 増える。BofAの推計によると、6-12月の増加額は約1兆4000億ドルと、2015-19年の同時期平均の7倍に達する見通し。同行ストラテジストらは、マネー・マーケットの金利が上方に25-40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)シフトする公算が大きいと指摘している。
原題: Treasury’s Flood of Bill Issuance Is Latest Test for Banks (1)(抜粋)
米財務省のTビル大量発行、米銀に新たな試練-金融商品の金利上昇へ - ブルームバーグ
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