米財務省は今週から期間長めの債券の発行拡大に乗り出す。財政赤字の急速な悪化と金利高騰が背景にあり、発行増の流れは来年に入っても続く可能性が高い。
財務省が2日に発表する四半期定例入札予定では、発行総額を960億ドル(約13兆7000億円)から1020億ドルに引き上げると見込まれている。増額となれば2021年初め以来。市場予想の内訳は3年債が420億ドル、10年債が370億ドル、30年債が230億ドル。これは新型コロナウイルス流行時に記録した過去最高額を下回るものの、コロナ禍前の水準は大きく超える。
ディーラーの多くは、今回の入札以降、ほぼ全ての年限で発行額がそれぞれ20億ドル引き上げられると予想。これまで引き合いの弱かった7年債と20年債の発行額は比較的小幅な伸びになる見通しだ。
公的借り入れ必要額の増加は、金融当局が政策金利を22年ぶりの高水準に引き上げたこともあり、国債利回りが上昇して政府の借り入れコストを押し上げているとの事情がある。金融当局は保有資産の圧縮も進めており、起債市場では他の買い手がより多くを引き受けざるを得なくなっている。これら全ての要因は、入札時にボラティリティーが増大するリスクを高める。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の米金利戦略責任者マーク・カバナ氏は、「とにかく大量の国債供給が控えている」とし、「財政赤字のデータには驚いている。突きつけられているのは厳しい現実だ」と述べた。
連邦政府の財政赤字は現会計年度の当初9カ月間(昨年10月-今年6月)で前年同期比170%増の1兆3900億ドルと、政府の資金需要の高まりを映し出している。
原題: Traders Brace for $102 Billion Wave of Treasury Bond Sales (抜粋)
米四半期定例入札、発行規模1020億ドルに増額へ-市場に大量供給 - ブルームバーグ
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