熊本市は8日、市の環境保全事業に充てる資金を市場から調達するため、地方債「グリーンボンド(環境債)」を年内に発行する方針を示した。県内の市町村が発行するのは初めてで、50億円を調達して主に市の特色である地下水の保全事業に活用する方針。市財政課によると、地下水保全を目的にした環境債の発行は全国的に珍しいという。
環境債は市場公募債の一種。地球温暖化対策といった環境保全に必要な資金を確保するため自治体などが発行している。発行主体が環境への取り組みをPRできるメリットもある。
市は2022年度に発行に向けた検討作業に着手。23年度の一般会計当初予算に300万円を計上しており、主に発行に必要な外部評価機関の認証取得費に充てる。調達した資金の具体的な使い道や利率、償還期間は認証取得後に市が決める。
この日の市議会一般質問で、大西一史市長が公明党市議団の吉田健一氏に環境債の発行について答弁。「地下水を将来にわたって守るため、保全の取り組みを投資家らに後押ししてほしい」と述べた。
環境債は環境保全意識の高まりを受けて投資家の需要が高い。自治体にとっても通常の市場公募債より利率がわずかに低くなるメリットがあり、発行が相次いでいる。総務省の資料によると、22年度は国内16自治体が計1493億円を発行した。熊本県は23年11月と24年3月、全国27道府県・14政令指定都市と共同で計1千億円(県分は50億円)を発行予定。(河内正一郎)
熊本市「グリーンボンド(環境債)」発行へ 50億円調達、地下水 ... - 熊本日日新聞
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