東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資するJERAは資本と負債の中間的な性質をもつハイブリッド債(劣後債)を発行すると発表した。4000億円を上限とし、需要動向をみて時期や条件などを決めるという。資源高と円安で火力発電に使う燃料の調達費が急騰して業績が悪化している。ハイブリッド債発行により財務負担を抑えつつ、脱炭素投資などへの資金を確保する。
劣後債は返済順位が低く株式に近い性質を持つ。会計上は負債として扱うが、格付け会社は発行額の一部を自己資本とみなす。普通社債などによる資金調達に比べて、信用格付けの維持や改善につながる。JERAの今回のハイブリッド債は、格付投資情報センター(R&I)と日本格付研究所、S&Pグローバル・レーティング・ジャパンが調達額の50%を自己資本と認定する見通しだ。
JERAの2023年3月期の最終損益は2000億円の赤字に転落する見通しだ。液化天然ガス(LNG)の長期契約先の火災影響でスポット調達比率が高まり、収支が悪化していた。燃料費高騰などの影響が大きい電力会社では、ハイブリッド債の発行が相次いでいる。関西電力が3月に2200億円、東北電力は9月に2800億円を発行した。
JERAがハイブリッド債を発行、上限4000億円 - 日本経済新聞
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