楽天グループが11月30日に発行するドル建て社債の利回りが話題だ。10%超ということで、過去のドル建て債を大きく上回っている。資金調達に関しては、今後、楽天銀行や楽天証券の上場準備を進めている。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年11月26日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
楽天モバイルは参入当初、設備投資に6000億円を計画していた。当然、それでは足りないわけで、日本郵政が1500億円を出資している。すでに1兆円を超える規模となっているが、もちろん、それでも足りるわけはない。
総務省のおかげで、なんとか既存3社からプラチナバンドの再割り当てをもらえるようになりそうだ。フィルター設置などの工事費用は、既存3社がそれぞれ1000億円規模を負担することになりそうだが、楽天モバイルはビタ一文、負担しない。しかし、あくまでそれは既存の周波数帯を楽天モバイルに明け渡すための費用であり、ここから楽天モバイルは自分たちが使えるようにプラチナバンド用のアンテナを既存の基地局に設置していく必要がある。
楽天モバイルは来年中に基地局数が6万に達する見込みだ。もちろん、すべての基地局にプラチナバンドのアンテナを設置する必要はなく、数としては限定的だろう。
ただ、楽天モバイルが本気で既存3社と同等になる、あるいはNTTドコモを超えて日本一のキャリアになるつもりなのであれば、計画している6万という基地局数では足りないのではないか。6万局で面的カバーはできても「容量」が足りなくなってくる。
既存3社に肩を並べるユーザー数を抱え、さらに多くのユーザーが使い放題で利用することを想定すると、おそらく今の3倍、20万近い基地局数が必要になるはずだ。1兆円で6万基地局を建てたということは、あと2兆円ぐらいは欲しいところだ。
また、楽天モバイルは衛星通信によって全国100%のエリアカバーを実現しようとしている。先日、ようやく衛星のアンテナが開いたようだが、本気で衛星通信サービスを提供するには、おそらく100機以上の衛星を飛ばす必要があるはずだ。
もちろん、日本のみならず世界規模でサービス提供できるようになるため、楽天シンフォニーのように世界展開が可能になる。また、衛星サービスを提供するASTにはボーダフォンも出資しているため、ボーダフォンとの折半になるだろうが、それでもASTには相当な追加出資をしなくてはならないのではないか。
ソフトバンクもボーダフォン買収直後から資金繰りについて不安視をされてきたが、iPhoneを独占的に扱えたことでなんとか危機を回避することができた。
楽天モバイルはまだまだ資金が必要なはず。ソフトバンクのiPhoneのような、他社からユーザーを集めるための競争力のある武器が必要だろう。
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