米全国紙USAトゥデーを発行する新聞大手ガネットは20日、グーグルのインターネット広告事業が独占禁止法(反トラスト法)に違反するとして、損害賠償を求めてニューヨークの裁判所に提訴したと発表した。グーグルがネット広告市場を独占しているため、新聞社の収入が減っていると主張した。

ガネットは200を超える地方紙も発行しており、訴訟の行方は他の新聞社にも影響を与える可能性がある。グーグルのネット広告を巡っては米司法省が1月に独禁法違反で提訴し、広告事業の解体を求めている。

グーグルはウェブサイト運営企業が広告枠を売るためのシステムと、企業が広告を出す時に使うサービスの両方を提供しているのに加え、広告売買のオークション市場も運営している。ガネットは、グーグルがこれらを不当に支配することで、手数料などによる法外な利益を得ていると主張。

ネット広告市場の健全な競争がなければ「新聞社はニュースに投資することができない」と強調し、グーグルによる広告市場の独占が地方紙の廃刊が進む一因になっていると指摘した。

ガネットによると、米国のネット広告市場は年間2000億ドル(約28兆円)規模と、2009年の9倍弱に膨らんだ。一方、新聞の年間広告収入は09年より約70%減った。(共同)